top of page
検索

喜悦旅游#6  「オロロンライン」〜北海道編4

更新日:2023年10月6日


 


 

 

 

(旧神居古潭駅)

 

 北海道最北端、宗谷岬に向かう旅の途中。1億6000万年前の地球の記憶を地形に留める、奇岩風景「神居古潭(カムイコタン)」を堪能したわたしたちは、再び留萌に戻り、日本海横を北上する「オロロンライン」をひた走ることとなったのだが…。

 

 神居古潭に出入りする時、実はちょっと奇妙なことがあった。

 

 目的地をナビに入れているのに、通り過ぎて何もない道を、何度もぐるぐる通るのである。「あれ、ここさっき通ったよね?」と思うことが、来る時も帰る時もあった。通過する時に目にした、茹でとうきびの屋台に寄りたいと言っていたのに、帰りには何故か出てこない。まあ、単純に見逃したり、営業時間が過ぎて気づかなかったのかも知れない。

 

しかしこの旅の途中、何度も通って「あれ、ここ…?」と思ったまま時間が過ぎること、逆に異様に早く目的地に辿り着くこと、など、時間に関する不思議な体験が結構多かった。北海道はとても広いので、ナビ通りには行かない、というのが現実だろう。あるいは浪漫的に表現するなら、地球の歴史を岩に刻んだ場所、神居古潭のパワーを、存分に受け取ってしまったのかもしれない。

 

 パワースポットの影響か、はたまた広大さゆえの北海道マジックか。オロロンラインは、ちょっとした珍道中となった。

 

 まず昼食。留萌に戻り、腹ごしらえしてから北上しようと提案したが、未知が好きな盛田さんは、次の街に行こうと主張する。確かにそれも悪くない。日本海を見ながらドライブし、少し先の街の食堂を、旅のマイルストーンにする。

 

(旧花田家番屋)



 青空に、ひたすらきらめく日本海。

 

 途中の留萌郡小平町では、明治38年に建てられた、北海道内最大規模の鰊番屋「旧花田家番屋」を見ることもできた。北海道を舞台とした、わたしの大好きな冒険活劇漫画「ゴールデンカムイ」の鰊番屋のエピソードを思い出し、現物を見ることで描写の忠実さに改めて感銘を受けた。ここにも食堂があったのだが、とにかく留萌を出よう!ということで先を急いだ。

 

 しかし…。

 

 オロロンラインは気が遠くなるほど長く、そして留萌郡の長さも、私たちの想像を超えていたのである。


(オロロンライン。日本海沿いをずっといく。岩にポツンと佇む鳥。)


 

 結局、留萌の「次の街」までは衝撃的なほど時間がかかり、たどり着いた食堂は「本日終わり」の札が掛かっていた…。

 

 一瞬ガーン、となったが、このペースで行けば、日没までに宗谷岬に行くことは不可能ではない!

 

 無言のうちに、わたしたちは体制を立て直した。近くに、北海道が誇るコンビニ「セイコーマート」がある。素早く道中のオヤツを買い、オロロンラインの先を急いだ。途中ペースが急に上がり、美味しいソフトクリームを食べる余裕すらできた。そのリッチな味わい、柔らかさ。これを堪能するために、昼食をすっ飛ばしたのではないかとすら思った。


 (ソフトクリーム。ちょっとだけ元気を取り戻す)



 そうしている間にも、陽は少しずつ傾いていった。

 

 海岸線は、長く長く、続いている。

 

 あと少し、あと少しで宗谷岬。

 オロロンライン、どこまで一体走るのか…。(続く)


 

株式会社RaymmaのWEBマガジン「喜悦旅游」は、伊地知奈々子の文・盛田諭史の写真という定点から、「価値観の切り替わり」を表現することを目的としています。


価値観の切り替わりは、個人を変える。

個人の小さな変化こそ、世界をダイナミックに変える原動力。


あなたを切り替える旅に、出てみませんか。

0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page